twnovel【02】
遠くに降る雨の音を拾うと、それは拍手によく似ています。(カーテンコール)いつであったか始まったものたちが、当たり前に終りを迎えて、そして最期に記憶として帰ってくる。だからきっと「さよなら」は「ただいま」の為に在る。
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舌の裏に「当たり」と「はずれ」が書いてある。みんな、優しかったり嘘つきだったり嫌ったり嫌われてたりこわいけど、それさえ分かれば上手く行く。(きすしたことある?)とあの娘が訊いた。
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誰が味方でも敵でも無いってことが、常識の領域に食込んできている。どうしようも無いことがひとつずつ増えて、身体が痛い。朝が来たなら明日も来たのだろうか。(でも君はもう振り返らない。だって、自由だ)
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暑さのせいで小指がとれた(もうこれで誰とも約束しなくていい) とれた小指は床に落ちて それから静かに砂になった これがいままであたしが頑張らなくてはいけなかった分の重さなのだ。⇒あたしはひとりを愛している? それが堪らなくこわい。
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浮かんで消えるもの(石鹸玉、水泡、風船、ちいさな嘘)。いつか消えてしまえるだけ、しあわせだと思いなさい、とテディは僕に言った。まだ僕の肌に日焼けの跡が残る季節のことだった。これだって、いつかは消えてしまうのだ。
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テディ、ゴミとなってなお自力で消えることの出来ない君に、微笑む資格などないのだよ。だってそうだろ、いつまでも誰かのもので在り続けるというのは、確かにつらい。
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テディはウィンドブルの叔父が連れてきた。ウィンドブルの叔父は大嫌いだったけれど、僕はその黒縁眼鏡をかけた熊の傍を離れなかった。テディと初めに呼んだのは間違いなく僕だ(でもテディは僕の名前を呼ばなかった)。
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ごらんテディ、夏が来るよ。僕たちはみな、待ち焦がれていたんだ。肌寒さから逃げて毛布にもぐり込むことも、その時あの子の言葉が頭を埋め尽くしてかなしくなることも、しばらくは無くなるんだよ。テディ、それはなんて素晴らしいことなんだろうね?
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テディに新聞を読ませたのはパパだった。コーヒーはブラックで毎朝ママが淹れた。パパは言う。「テディもおとなにならなくてはならないだろう? ××(ぼくの名前だ)がそのままでいられないように」しばらくしてぼくは、テディを抱きしめることをやめた。
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暗い路を静かに歩く。そのうち音が聴こえなくなる。歩く。私の涙に気付くものは何も無いだろう。歩く。淋しさを剥きだしにしている自分はとても惨めだ。歩く。この先にいる「誰か」が、どうかあなたではありませんように。